平成22年(2010年)4月1日に「土壌汚染対策法」の一部を改正する法律が施行されました。
これを「改正土壌汚染対策法」と言います。
元の「土壌汚染対策法」は、平成15年(2003年)2月に施行されたものです。
|
なぜ7年を経て改正を行うことになったのでしょうか。
それは、法律に基づかない土壌汚染の発見が増えたり、堀削除去の偏重、
汚染土壌の不適切な処理による汚染土壌の拡散が問題になってきたからです。
汚染土壌の不適切な処理の例としては平成18年だけでも
東京都での六価クロム汚染残土の放置、千葉県での ひ素汚染残土の堆積、
埼玉県での水銀汚染土壌不適切処理などが有りました。
また、今回の法改正の基本的な考え方は「汚染土壌情報を隠さないで社会で共有し、
環境リスクの低減と管理を進めること(環境省)」です。
|
改正土壌汚染対策法の目的は「土壌汚染の状況の把握に関する
措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、
土壌汚染対策の実施を図りもって国民の健康を保護する」とされています。
■調査の契機について
・有害物質使用特定施設の使用の廃止時(法第3条)
・一定規模(3,000平方メートル)以上の土地の形質の変更の
届出の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事が認めるとき(法第4条)
※今回の改正にて追加
・土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事が認めるとき(法第5条)
・(自主調査において土壌汚染が判明した場合において、
土地所有者等が都道府県知事に区域の指定を申請(法第14条)) ※今回の改正にて追加
■調査の結果、土壌の汚染状態が指定基準に適合しない場合はどうなる?(区域の指定など)
都道府県知事等は、土壌汚染状況調査の結果報告を受けたとき、報告を受けた土地を、
以下のとおり健康被害のおそれの有無に応じて、要措置区域又は形質変更時要届出区域
(以下「要措置区域等」という)に指定します。
1. 要措置区域(法第6条) ※今回の改正にて追加
区域の意味「土壌汚染の摂取経路があり、健康被害が生ずるおそれがあるため、汚染の除去等の措置が必要な区域」
→汚染の除去等の措置を都道府県知事が指示(法第7条) ※今回の改正にて追加
→土地の形質の変更の原則禁止(法第9条) ※今回の改正にて追加
2. 形質変更時要届出区域(法第11条) ※今回の改正にて追加
区域の意味「土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生ずるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域
(摂取経路の遮断が行われた区域を含む)」
→土地の形質の変更時に都道府県知事に計画の届出が必要(法第12条)
以上の措置によって、汚染の除去が行われた場合は指定を解除します。
<補足 汚染土壌の搬出等に関する規制について>
・上記1及び2の区域内の土壌の搬出の規制(法第16条)(運搬基準に違反した場合の措置命令)
→事前届出、計画の変更命令
※今回の改正にて追加
・汚染土壌に係る管理票の交付及び保存の義務(法第20条) ※今回の改正にて追加
・汚染土壌の処理業の許可制度(法第22条) ※今回の改正にて追加
コラムの目次へ戻る
|
|