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地下水の温度検層および孔内流向・流速測定
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孔内流向・流速測定は、地下水の流向および流速を把握することを目的としています。
ここでは、地下水流動箇所を把握するための温度検層を組み合わせた事例をご紹介します。
  1. 温度検層(図 1)
温度検層は、孔内の水温分布を連続的に測定することにより、地下水流動箇所を特定するために実施します。
測定結果例(図 2)に示すとおり、GL-8m までと GL-10m 以深では、水温に約 1℃の違いがあります。
このため、地下水流動箇所は 2 層あると考えられます 。

  2孔内流向・流速測定
孔内流向・流速計の温度センサー部は円柱状であり、中央のヒーターを中心に16個の温度センサーを 配置しています(図 3)。



この測定器を地中に設置して、測定器内の発熱体を発熱させて各温度センサーの上昇過程を計測します。
地下水の上流に面しているセンサーは温度が変化せず、その反対側では温度が上昇します(イメージは図 3)。
また、センサーの温度変化の速度を知ることにより、地下水の流速を知ることができます。
測定結果は図 4〜図 5 に示すとおり、流動箇所@では、流向、流速共に落ち着かず、安定していません。
流動箇所Aでは、測定開始から 1 時間後には流向、流速共に一定の値を示しています。

以上のことから、上部の地下水は「流れの遅い地下水」、下部の地下水は「流動方向が一定した流れの速い 地下水」であると推定されます。
このように、温度検層と、孔内流向・流速測定を組み合わせることによって、帯水層ごとの地下水の動き をとらえることができます。