孔内流向・流速計の温度センサー部は円柱状であり、中央のヒーターを中心に16個の温度センサーを 配置しています(図 3)。
この測定器を地中に設置して、測定器内の発熱体を発熱させて各温度センサーの上昇過程を計測します。
地下水の上流に面しているセンサーは温度が変化せず、その反対側では温度が上昇します(イメージは図 3)。
また、センサーの温度変化の速度を知ることにより、地下水の流速を知ることができます。
測定結果は図 4〜図 5 に示すとおり、流動箇所@では、流向、流速共に落ち着かず、安定していません。
流動箇所Aでは、測定開始から 1 時間後には流向、流速共に一定の値を示しています。
以上のことから、上部の地下水は「流れの遅い地下水」、下部の地下水は「流動方向が一定した流れの速い
地下水」であると推定されます。
このように、温度検層と、孔内流向・流速測定を組み合わせることによって、帯水層ごとの地下水の動き
をとらえることができます。
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